競業避止義務はどこまで有効となるか!?⑥ ~ALIC事件~
東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
退職又は解雇後の競業避止義務の有効性について争った裁判例を紹介します。
【目次】
◆事実の概要
◆事件の争点
◆判決の判断
◆まとめ
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◆事実の概要
執行役員が会社を退職後、競業他社の取締役執行役員副社長のなったことにより会社は退職金の支給を行いませんでした。これに対して元執行役員が公序良俗に反し無効として訴えを起こしました。
◆事件の争点
①競業避止の判断基準
②本件の合理性
◆判決の判断
①一般に、労働者には職業選択の自由が保障されている(憲法22条1項)ことから、使用者と労働者の間に、労働者の退職後の競業についてこれを避止すべき義務を定める合意があったとしても、使用者の正当な利益の保護を目的とすること、労働者の退職前の地位、競業が禁止される業務、期間、地域の範囲、使用者による代償措置の有無等の諸事情を考慮し、その合意が合理性を欠き、労働者の職業選択の自由を不当に害するものであると判断される場合には、公序良俗に反するものとして無効となる。
②本件において、元執行役員の退職前の地位は相当高度(退職1カ月前まで金融法人本部長であり、執行役員併任)ではあったが、元執行役員は長期にわたる機密性を要するほどの情報に触れる立場であるとはいえず、また、本件競業避止条項を定めた会社の目的はそもそも正当な利益を保護するものとはいえず、競業が禁止される業務の範囲、期間、地域は広きに失するし、代償措置も十分ではないのであり、その他の事情を考慮しても、本件における競業避止義務を定める合意は合理性を欠き、労働者の職業選択の自由を不当に害するものであると判断されるから、公序良俗に反するものとして無効である(退職金請求全額認容)。
◆まとめ
本件は競業避止に反するとして退職金約3,000万円支給をおこないませんでしたが、訴訟の結果全額支払い命令がなされました。期間も長く、競業範囲も広く、代償措置もないとして会社にとっては厳しい判断となりました。
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