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労働時間や休日の変更はどこまで許容されるのか!? ~九州自動車学校事件~

東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!

 

業務の都合等により労働時間や休日の変更を行った結果争った裁判例を紹介します。

 

 

【目次】

◆事実の概要

◆事件の争点

◆判決の判断

◆まとめ

 

 

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◆事実の概要

所定休日が日曜日であった自動車学校を経営しておる法人が日曜日の教習対応及び事務の効率化を図るため所定休日を月曜日に変更し、事務員の終業時刻を40分延長しました。この変更は就業規則の改定により行いましたが、一部の社員がこれに反対し日曜日の就業を拒否したため会社は賃金控除を行いました。そこで賃金控除をされた社員ら賃金差額の請求等を求めて訴えを起こしました。

 

 

◆事件の争点

 

①所定休日の変更は不利益変更か?

 

②所定休日の変更に合理性はあるか?

 

③終業時刻の延長は不利益変更か?

 

④終業時刻の延長に合理性があるか?

 

◆判決の判断

①一般的には日曜日を休日とする職種が多く、公立学校の休日も日曜日及び土曜日であるから、休日が月曜日に変更されたことにより、社員らの1週間の生活サイクルに一時的な変動をきたし、日曜日が休日である他の就労家族や学齢にある子供の交流に一定の支障が生じることは容易に推認し得るところである。しかし、日曜日が休日ではない職種や休日が不定期の職種に従事する者も少なからず存在し、これらの人々の社会生活や家族生活に何らかの深刻な影響が現に生じていることを認めるに足りる証拠はなく、また、第三次産業の比率が増大し、これに従事する者が多数となっていくもとでは、休日の多様性はますます拡大していくものと考えられ、したがって、日曜日が休日でなくなることによる労働者の不利益は、ないとはいえないものの、重大なものとはいえない。

 

②北九州市内の他の自動車教習所で日曜教習を行うものが増加しつつあり、また、会社の普通車課程入校生は平成元年以降おおむね漸減傾向にあることが認められ、少子化傾向のもとで今後受講生の争奪競争が激化すると考えられることにも照らし、休日教習の実施は会社の経営にとって十分必要性があったものと認められる。また、日曜日を休日とする職種が多いということは、日曜日に教習が行われることによって便宜を受ける受講生も多いということであり、現時、市役所の公証事務等の住民向け公的サービスを日曜日に行うとのニーズが高まり、これに対応することが社会的な要請となりつつあることは周知のとおりであり、自動車運転免許の取得が一般化し、これに向けての民間教習所における教習が重要不可欠な社会教育の一環として定着している現状に鑑みると、受講希望者の便宜を図り、教習を受けやすい態勢を整えることの社会的意義は大きいということができる。したがって、本件就業規則により、所定休日を日曜日から月曜日に変更したことには合理性がある。

 

③本延長は変形労働時間制の採用にともなうものであり、労働時間の総体は短縮され、平日出勤の終業時間が遅くなった点を捉えれば不利益であるが、他方、従来の月曜日に代わる出勤日の日曜日の終業時間は午後4時に早められていることとも合わせ、全体的には有利な方向への変更ということもできる。

 

④延長時間帯は、午後5時50分の教習を受ける会社、学校帰りの受講生が多数来校する繁忙な時間帯であること、総体として時間は短縮しており、賃金は変わらないから実質賃上げといえること、上記の取扱いは週40時間制と変形労働時間制を柱とする労働時間短縮という社会政策のもとにおいて増加する教習時間を確保しつつ、短期間で集中的に教習を受ける受講生の便宜を図るという社会的要請に対応する結果と見ることができるから、本件変更は合理性がある。

 

 

◆まとめ

所定休日の変更は合理性があると判断され、また終業時刻の変更についても変形労働時間制の採用により総労働時間は短縮されているため実質的に賃上げであると判断されました。休日や始業終業時刻を変更する際に参考となる事例でしょう。

 

いかがでしたでしょうか?資格取得の費用補助をしてあげたいがどうすればよいかわからない、資格取得をさせたいけれどもすぐやめられては困る等お悩みの方はお気軽に東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズまでお気軽にお問合せください

 

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