最近増えている!?内定の関するトラブル⑨ ~インフォミックス事件~

東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
今回は内定に関することで争った裁判例・判例を紹介します。
【目次】
◆事実の概要
◆事件の争点
◆判決の判断
◆まとめ
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◆事実の概要
・スカウトをされて現在の仕事を辞め、スカウトされた会社に入社手続きを行なったところ、入社日の2週間前に会社の経営状況の悪化により内定していた労働契約の内容は果たせないとして解決金を支払うか、3カ月だけ勤めるか、内定を辞退するかの3択を強いられました。これに対しスカウト社員は激高して2年分の賃金を払うか、約束通りの処遇で雇用をするかをせまったところ会社は内定取り消しを行いました。これに対してスカウト社員は内定取り消しは無効として訴えを起こしました。
◆事件の争点
①判断基準
②客観的合理性と社会通念所湯の相当性
◆判決の判断
①採用内定者は、現実には就労していないものの、当該労働契約に拘束され、他に就職することができない地位に置かれているのであるから、企業が経営の悪化等を理由に留保解約権の行使(採用内定取消)をする場合には、いわゆる整理解雇の有効性の判断に関する①人員削減の必要性、②人員削減の手段として整理解雇することの必要性、③被解雇者選定の合理性、④手続の妥当性という4要素を総合考慮のうえ、解約留保権の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当と是認することができるかどうかを判断すべきである
②会社は経営悪化による人員削減の必要性が高く、そのために従業員に対して希望退職等を募る一方、スカウト社員を含む採用内定者に対しては入社の辞退勧告とそれに伴う相応の補償を申し入れ、スカウト社員には入社を前提に職種変更の打診をしたなどスカウト社員に対して本件採用内定の取消回避のために相当の努力を尽くしていることが認められ、その意味において本件内定取消は客観的に合理的な理由があるということができる。しかしながら会社がとった本件内定取消前後の対応には誠実性に欠けるところがあり、スカウト社員の本件採用内定に至る経緯や本件内定取消によってスカウト社員が著しい不利益を被っていることを考慮すれば、本件内定取消は社会通念に照らし相当と是認することはできないというべきである。したがって、本件内定取消は無効というべきである
◆まとめ
・本件は整理解雇の判断基準が用いられ、客観的合理性はあるとしつつも、社会通念上相当ではないとして内定取り消しは無効となりました。スカウト社員からすれば内定取り消しになったとはいえ、前職のキャリアを捨ててしまっているため勝訴と言えども失ったものは大きいのではないかと考えられるでしょう。
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