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勤務成績不良による処分はどこまで有効か!?④ ~南淡漁業協同組合事件~

東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!

 

勤務成績不良により普通解雇又は懲戒処分を受けたものが、その効力について争った裁判例を紹介します。

 

 

【目次】

◆事実の概要

◆事件の争点

◆判決の判断

◆まとめ

 

 

__________________________________________

 

 

◆事実の概要

社員は協同組合の業務の中で信用業務(貯蓄業務)を担当していました。会社は貯金払戻請求書の代筆などをしたこと、定期貯金のマニュアルに反する解約払戻処理の指示をしたこと、無断振替をしたこと等の非違行為を理由に解雇を行いました。これに対して社員は地位確認と慰謝料等を求めて訴えを起こしました。

 

◆事件の争点

 

①解雇事由該当性

 

②社会的相当性

 

◆判決の判断

①貯金払戻請求書の代筆などをしたこと、定期貯金のマニュアルに反する解約払戻処理の指示をしたこと、無断振替をしたこと、漁協組合員らの間で、当該組合では口座名義人の承諾なしに代筆して出金されており信用できないとの噂がたったことは、会社の就業規則49条に定める懲戒事由の「組合の信用を傷つけ又は重大な過失により組合に損害を及ぼしたとき」に該当する

 

②解雇事由が懲戒解雇事由に該当するという重大なレベルであり、社員の貢献や再就職を考慮し、退職勧告することを決定し、会社代表者が社員に対し平成21年4月7日、同年5月31日付で、退職届を提出してほしいと告げたところ、社員は黙ったままであったが、翌日、5月末日までの有給休暇届を提出して出勤しなくなったため、解雇を回避する手段も、弁明の機会を与える機会もなく、社員が会社代表者より同年2月13日ころ、職場での態度を改めるように注意されたのに対し、「ほっといてくれ」と発言するなど、社員には宥恕すべき事情もないことに徴すれば、社会的相当性を欠くことはなく、解雇権の濫用には当たらない。

 

 

◆まとめ

1審では指導警告や解雇に及ばない懲戒処分をしていれば改善していたかもしれないことを理由に解雇無効となりましたが、控訴審では上記の理由に解雇有効となりました。原則は段階を踏んで処分を重ねてく方法が無難と考えられますが、非違行為の内容や対象者の悔悟や反省の度合い次第では解雇有効となるケースでした。

 

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