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退職勧奨の進め方は慎重にすすめるべき!?⑥ ~全日本空輸事件~

東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!

 

退職勧奨が思うように進まず争った裁判例を紹介します。

 

 

【目次】

◆事実の概要

◆事件の争点

◆判決の判断

◆まとめ

 

 

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◆事実の概要

客室乗務員は業務上の災害により鞭打ち症を患いました。症状固定となってからも痛みが消えず、年次有給休暇、病気欠勤、休職を合わせて3年3か月休業しました。この間3度の復職者訓練を受けましたが3回とも不合格だったため会社は「労働能力の著しい低下」「やむを得ない業務上の都合」などを理由として客室乗務員を解雇しました。これに対して客室乗務員は解雇無効と退職強要が違法な不法行為に当たるとして訴えを起こしました。

 

◆事件の争点

 

①解雇事由

 

②退職強要

 

 

 

◆判決の判断

①ただちに客室乗務員として乗務させることはできないと言わざるを得ないが、不合格の結果は主として休業・休職中に航空機や設備機器の変化があったためであり、基本的な能力の低下があったわけではなく、短期間で業務可能となると予想されるので解雇事由に該当する著しい労働能力の低下は認められない。

 

②退職勧奨については、客室乗務員の上司にあたる者5名が、約4カ月間に復職について30数回もの「面談」「話し合い」を行い、その中には約8時間にわたるものもあったこと、面談において、能力がない、別の道があるだろうとか、寄生虫、他の乗務員の迷惑等と述べ、大声を出したり机をたたいたり、客室乗務員が断っているにもかかわらず居住する寮まで赴いて面談したりしており、その頻度、各面談の時間の長さ、言動は社会通念上許容しうる範囲を超えており、単なる退職勧奨とは言えず、違法な退職強要として不法行為となる

 

 

◆まとめ

解雇は無効となりましたが、その前に行っていた退職勧奨も態様からすると社会通念上許容し得る範囲を超えており、慰謝料請求が認められました。しつこすぎる退職勧奨は違法行為となるわかりやすいケースと言えるでしょう。

 

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