適正な懲戒処分ってどこまでの範囲内!?③ ~国立大学法人Y大学事件~
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懲戒処分の有効性(特に処分の量刑)を争った裁判例を紹介します。
【目次】
◆事実の概要
◆事件の争点
◆判決の判断
◆まとめ
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◆事実の概要
学長選考会議でのやり取りを無断で録音して、他に公開した教授が戒告処分を受け、学内のホームページに処分を公表されました。これに対して教授は名誉棄損と及び処分を違法として訴えを起こしました。
◆事件の争点
①無断での録音及び公開
②処分の量定
③名誉棄損について
◆判決の判断
①選考会議の途中退席行為は、就業規則に定める職務忠実遂行義務に違反する。また、審議状況を無断で録音し、その録音反訳文書を電子メールで約80人の他の医学部教授らに直接送信した行為は、懲戒事由である「職務上知ることのできた秘密を他に漏らす行為」、「大学の業務に支障をきたすおそれのある行為」に該当する。
②処分の量定につき、懲戒行為に至った動機、態様及び結果、教授の職責及び懲戒行為との関係、他の職員らに与える影響等に照らすと、戒告処分が重きに失するということはできず、弁明の機会を与えた上で行われたものであり、手続にも違法な点は認められない。本件懲戒処分は適法かつ有効である。
③学内周知等要領の規定に基づき本件学内周知行為が行われたこと、被懲戒者が教授であることを直接特定するような記載がないことが認められ、本件学内周知行為は、教授の社会的評価を低下させるものではなく、名誉毀損行為に該当しない。
◆まとめ
戒告処分は懲戒処分の中で最も軽い処分のため、本件のように明らかに懲戒事由に該当する場合は有効とされるケースが多いと思います。もしこの処分が戒告処分より重いものであればどういう判断となったのか気になるところですね。
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