退職の意思表示っていつまで撤回可能!?⑥ ~日本レストランシステム事件~
東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
退職の意思表示をしたのにも関わらず、その効力について争った裁判例を紹介します。
【目次】
◆事実の概要
◆事件の争点
◆判決の判断
◆まとめ
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◆事実の概要
管理職であった社員は女性アルバイトへの執拗なメール送信がセクハラ行為として問題となり、退職届(合意解約の申し入れ)を会社に提出しました。退職日は空欄でしたが、慣習的に残りの年次有給休暇を消化して退職することとなっており、会社が年休残日数を計算して退職日が確定しました。その後社員は退職日の前日に退職届の撤回を求めましたが、会社はこれを拒否しました。これに対して社員は退職の承認前である等の理由を述べて訴えを起こしました。
◆事件の争点
①退職の撤回
②人事権の濫用
◆判決の判断
①労働契約の合意解約の申込みである退職届は、使用者の承諾ないし承認の意思表示がなされるまでは可能であると解されるところ、社員は会社に対し任意に退職届を提出し、会社は社員に対し遅くとも13日後にに承認の意思表示をしたから、この時点で年休最終消化日を退職日として労働契約は合意により解約されたといえる。したがって、社員による一方的な退職届の撤回は何ら効力を有しない。
②社員は、仮に会社の承認があったとしても、実質的に解雇と同視できるものであって人事権の濫用であるとするが、退職を強要した事実はなく、退職届を承認したことについて人事権の濫用ということはできない。
◆まとめ
退職届には辞職(一方的な労働契約の解約)と合意解約の申し入れがあり、本件は合意解約の申し入れとされました。会社としては適切な手続きを踏襲していたため合意解約は有効となり、退職は成立しました。
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