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賃金5原則って意外と厳しい!? ~住友生命保険費用負担事件~

東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!

 

労働基準法24条の賃金支払い五原則について争った裁判例を紹介します。

 

 

【目次】

◆事実の概要

◆事件の争点

◆判決の判断

◆まとめ

 

 

__________________________________________

 

 

◆事実の概要

営業の社員が資料の印刷代や顧客への物品代等を賃金控除されたため労働基準法24条違反するとして訴えを起こしました。

 

 

◆事件の争点

 

①労働基準法24条

 

 

②本件当てはめ

 

 

◆判決の判断

①賃金は、直接労働者に、その全額を支払わなければならず(賃金全額払の原則。労働基準法24条1項本文)、使用者が賃金支払の際に適法に控除を行うためには、書面による協定が必要である(同項ただし書)。同項ただし書については、購買代金、社宅、寮、その他の福利、厚生施設の費用、社内預金、組合費等、事理明白なものについてのみ、労使協定によって賃金から控除することを認める趣旨である。事理明白なものとは、労働者が当然に支払うべきことが明らかなものであり、控除の対象となることが労働者にとって識別可能な程度に特定されているものでなければならないが、労働者がその自由な意思に基づいて控除することに同意したものであれば、労働者が当然に支払うべきことが明らかなものに該当する。

 

②本件協定は、労働者がその自由な意思に基づいて同意したものに適用する限りにおいては、事理明白なものであり、有効である。労働契約上、賃金からの控除を適法なものとして認めるためには、別途、労働協約又は就業規則に控除の根拠規定を設けるか、対象労働者の同意を得ることが必要である。控除の対象が、使用者から義務付けられ、労働者にとって選択の余地がない営業活動費である場合には、自由な意思に基づく合意とはいえず、賃金からの控除は許されない。募集資料コピー用紙トナー代は全営業職員に一律に定額で課される負担金である。社員と会社との間で個別合意があったことを認めるに足りる証拠はない。社員は、平成31年1月からの賃金控除について明示的に異議を述べたから、少なくとも同月分以降については社員の賃金から控除することにつき社員が同意していたと認めることは困難である。

 

◆まとめ

個別同意を得られていないことを理由に賃金控除が一部無効となりました。本件では労使協定の締結に加えて就業規則の明示、及び個別的同意が必要であると考えられるでしょう。

 

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