裁判例から学ぶ不利益変更の考え方 ~日通岐阜運輸事件~

東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
今回は法改正による就業規則の変更により所定休日を増やした案件です。それでは行ってみましょう!
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【目次】
◆事件の概要
◆争点
◆判断基準
◆まとめ
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◆事件の概要
労働基準法の改正で平成9年4月1日から週40時間制が採用されたことにより、休日に関する就業規則の一部を改訂し、「休日は、各4週間に8日として、4週変形労働時間制により1週間平均40時間の所定労働時間を設定する」と定め、日曜日のほか土曜日も休日とした。従前は4週6休だったため日給制の社員の賃金が実質減額となり、本来であれば事実上賃金カットとならないよう、なにも対応を行わなかったことから不法行為を理由に減少額相当額の賠償を求めました。
◆争点
①勤務数減少による賃金カット
②月給制社員と日給制社員の賃金体系
③代償措置の必要性
④変更後の就業規則の内容の相当性
◆判断基準及び判断
①勤務日数が減少すれば、日給制の社員については月々の賃金が減ることになるが、その分労働を提供しないものであるから、賃金が日々の労働と密接に結びついているに日給制においてはやむを得ず賃金カットという性質のものではない。
②事務員は月給制、作業員については日給制という区分に分けていることはそれぞれの業務の内容や勤務体系から格別不合理だとは言えない。
③月給制の社員についてその賃金が従前のまま維持されるとすれば、日給制の従業員と比べて結果的に待遇面での相違が生じることになるとしても、それは賃金体系の相違によるやむを得ない結果であって、日給制において日給額を増額すべき義務が生じるものとも解されない。
④本改訂は労働基準法の改正により法定労働時間が週40時間となったため結果、従前の4週6休が4週8休になったというものである。したがって、このような就業規則の改訂をもって不利益変更というのは適当でないばかりか、この就業規則の変更は、労働時間の短縮を推し進め労働基準法の改正に沿うように規定を改めたもので、労働者にとっては利益ともいえるものであり、このこと自体高度の必要性に基づいた合理的な内容であると認められる。
◆まとめ
労働者からすると、厳しい判決となりました。特に本件では法改正に伴う就業規則の変更は不利益変更ではないと述べています。しかしいくら法改正といえども労働者にとって有利な面と不利な面が混在する場合には一定程度の調整や合理性の検討を行うことが必要でしょう。
いかがでしたでしょうか。法改正による就業規則の変更、それに伴う社員の処遇等でお悩みの方は東京銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズまでお気軽にお問い合わせください!
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