管理監督者はどこまで有効なのか!?⑨ ~アクト事件~
東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
今回は社員を管理監督者扱いした結果、訴えられた裁判例を紹介します。
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【目次】
◆事実の概要
◆事件の争点
◆判決の判断
◆まとめ
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◆事実の概要
飲食店のマネージャー職として働いていた社員が管理監督者に該当しないとして時間外労働割増賃金と深夜労働割増賃金を求めて訴えを起こしました。
◆事件の争点
①マネージャーとしての権限
②時間的裁量
③待遇
◆判決の判断
①マネージャーは、店長と協議の上、アルバイト従業員の採用、そのシフトの作成について決定権などの権限は有るものの、人件費は各店舖の売上げの28パーセント内という会社の決定した制約の下におかれ、また、将来、各店舗の店長、マネージャーなどになる被告の正社員の採用権限は有していない。これらの事実に照らせば、店長やマネージャーが会社の経営の重要事項について、経営者と一体的立場にあったものとは認め難い。
②店長、マネージャーは、各店舗が営業している間は、いずれかが在店しなければならず、遅番と早番のいずれかで出勤することとされていたと認められるのであるから、マネージャーが勤務時間について相当程度自由な裁量があったとは認められない。また、本件店舗におけるマネージャーとしての会社の権限や就労の実態をみると、接客業務の内容はアルバイト従業員と変わらず、開店前の店内の清掃、後片付けなども、アルバイト従業員と同様に行っていたことが認められる。
③マネージャーの処遇についてみると基本給において一般職よりも厚遇されているわけではなく、また、役職手当が支給されてはいるが、その額は定額時間外深夜手当を含めてみれば、せいぜい1万5000円に留まっている。これらの諸手当を合わせても、時間外労働に対する割増賃金の支払がされていないことの代償として十分とはいえず、管理監督者として十分な処遇がされているとは認められない。
◆まとめ
肩書は「マネージャー」といえども業務内容はアルバイトと大差なく権限も裁量もないとされ、管理監督者性が否認されました。飲食店等における時間外手当の負担が大きのは事実ですが、店舗責任者程度での管理監督者適用は難しいでしょう。
いかがでしたでしょうか?管理監督者を適用したいけど否認されないか不安、管理監督者の待遇をどのように設定すべきかわからない等管理監督者制度でお悩みの方はお気軽に東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズまでお気軽にお問合せください
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