競業避止義務はどこまで有効となるか!?⑫ ~ヤマダ電機事件~
東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
退職又は解雇後の競業避止義務の有効性について争った裁判例を紹介します。
【目次】
◆事実の概要
◆事件の争点
◆判決の判断
◆まとめ
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◆事実の概要
理事の地位を有していた社員は退職願を提出するとともに競業避止義務及び秘密保持義務に係る役職者誓約書を提出しました。社員は退職後、誓約書の内容に違反すr競業会社で働いていることが発覚したため、退職金額半額と給与6か月分の支払いを求めました。
◆事件の争点
①競業避止の合理性
②代償措置
◆判決の判断
①社員は、店舗における販売方法や人事管理の在り方を熟知し、全社的な営業方針、経営戦略等を知ることができたと認められる。社員のような地位にあった従業員に対して、会社固有のノウハウ等の保護を目的として競業避止義務を課することは不合理ではない。本件競業避止条項の対象となる同業者の範囲は、会社の業務内容と同種の家電量販店に限定されると解釈できる。また、退職後1年という期間は、不相当に長いものではないと認められる。さらに、本件競業避止条項には地理的な制限はないが、会社が全国的に家電量販店チェーンを展開する会社であることからすると、禁止範囲が過度に広範であるということもない。
②本件誓約書により退職後の競業避止義務が課されることの代償措置については、会社が、役職者誓約書の提出を求められるフロアー長以上の従業員に対し、高額の基本給、諸手当等を給付しているとは認められるものの、不利益を補償するに足りるものであるか、十分な立証があるといい難い。しかし、代償措置に不十分なところがあるとしても、この点は違反があった場合の損害額の算定にあたり考慮することができるから、このことをもって本件競業避止条項の有効性が失われることはない。
◆まとめ
本件は競業避止義務違反が認められ、社員に対して退職金の半額と給与1か月分の支払いを命じました。通常競業避止での争いになると代償措置がないことが否定要素とされますが、本件は代償措置無しでも競業避止義務を認めた稀有な例と言えるでしょう。
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