最近増えている!?内定の関するトラブル⑥ ~宣伝会議事件~

東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
今回は内定に関することで争った裁判例・判例を紹介します。
【目次】
◆事実の概要
◆事件の争点
◆判決の判断
◆まとめ
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◆事実の概要
・新卒内定者が、論文の審査準備を理由に入社前研修に参加しないため、会社は試用期間を延長するか中途採用の再試験を受験するかの選択を求めたところ、内定取り消しは違法として損害賠償請求の訴えを起こしました。
◆事件の争点
①内定取り消しか内定辞退か
②内定取り消しの適法性
◆判決の判断
①内定取り消しか内定辞退か
・会社が、新卒内定者に対して、採用内定後試用期間延長か中途採用試験の再受験の選択を求めたことは、実質的な意味で内定を取り消す旨の意思表示をしたと認められる。
②内定取り消しの適法性
・一般に内定において解約権が留保されるのは、採否決定の当初においては、その者の資質、性格、能力、その他社員としての適格性の有無に関連する事項について、適切な判定資料を十分に蒐集することができないため、後日における調査や観察に基づく最終的決定を留保する趣旨によるものと解されるところ、解約権行使は、解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することのできる場合にのみ許されるというべきである。したがって、内定の取消事由は、会社が、採用決定後における調査の結果により、当初知ることができず、また知ることができないような事実を知るに至った場合において、内定者を雇用することが適当でないと判断することが、解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に相当であると認められることを要し、その程度に至らない場合には、解約権を行使することはできないと解される。会社は、内定者の生活の本拠が学生生活等労働関係以外の場所に存している以上、これを尊重し、研修等によって学業等を阻害してはならないというべきであり、学業への支障などといった合理的な理由に基づき、入社日前の研修等への参加を取りやめる旨申し出たときは、これを免除すべき信義則上の義務を負っている。
◆まとめ
・本件はまず「内定取り消し」か「内定辞退」かが争点となり、会社から試用期間の延長若しくは中途採用試験の再受験を求めたことから「内定取り消し」とされ、さらに内定取り消しにつき、学業を優先するという正当事由については会社が当然に受忍すべきとされ、賠償請求が言い渡されました。内定取り消しも解雇と同様に客観的合理的理由と社会通念上の相当性が必要ということになります。
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