懲戒手続きはどこまで有効!?どこから無効!?⑥ ~三井リース事業事件~
東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
今回は懲戒手続きを行った結果、訴えられた裁判例を紹介します。
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【目次】
◆事実の概要
◆事件の争点
◆判決の判断
◆まとめ
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◆事実の概要
社員は就業規則に規定する以下の「長期間著しい非能率、組織不適応、労働意欲の欠如等により、会社の業務遂行に支障があり、将来もその職掌に見合う業務を果たすことが期待できないと認められる場合」に該当するとして会社から解雇を言い渡されました。これに対して、解雇事由の存在を否認すると共に、就業規則には解雇手続が定められているにもかかわらず、社員にも労働組合にも委員会で意見を表明する機会が与えられなかったのは重大な手続上の瑕疵であり、解雇は無効であると主張して、地位保全を求める仮処分申請を申請しました。
◆事件の争点
①弁明の機会
②手続きの瑕疵
◆判決の判断
①解雇は雇用契約を終了させる使用者の一方的意思表示であるから、いかなる手続によって解雇するかは、就業規則等に特段の定めがない限り使用者の裁量に委ねられているものと解すべきところ、本件においては、解雇を規定した会社の就業規則が、「次の各号の一に該当する場合は、会社は30日前までにその旨を予告するか又は解雇予告手当を支給して職員を解雇することができる。但し、第3号に該当する場合については、会社はその都度設ける委員会の意見を徴して決定する」と定めているが、同就業規則には右委員会の構成員や審理手続等について具体的に定めた規定は存しない。したがって、就業規則が定める委員会の構成や審理手続等は会社の裁量に委ねられているものと解すべきであり、その委員会において被解雇者である社員や労働組合の組合員に弁明の機会を与えなければならないものではないというべきである。
②本件において、会社は、代表取締役、専務取締役、総務部長、経理第二部長、国際審査部長、国際事業本部長、審査部副部長、人事部長、人事部長代理が出席する解雇検討委員会を開催して当該社員の解雇問題について検討し、同委員会が社員の解雇はやむを得ないと判断したことを尊重して社員を解雇したことは前記のとおりであるから、その手続に何ら瑕疵はないというべきである。
◆まとめ
本件は弁明の付与を与えられなかったにもかかわらず、十分に解雇検討委員会にて審理が尽くされたということで解雇有効となりました。就業規則の規定はとても重要だと言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか?懲戒処分を行いたいけど方法がわからない、行為に対してどのくらいの処分にするか悩んでいる等懲戒手続きをお考えの方はお気軽に東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズまでお気軽にお問合せください
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