懲戒手続きはどこまで有効!?どこから無効!?③ ~日本通信懲戒解雇事件~
東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
今回は懲戒手続きを行った結果、訴えられた裁判例を紹介します。
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【目次】
◆事実の概要
◆事件の争点
◆判決の判断
◆まとめ
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◆事実の概要
会社は退職勧奨を拒否してい自宅待機中である社員に社内ネットワークの管理権限があることに気付き、権限を抹消するように求めました。しかし社員が説得に応じず業務命令を拒絶したため懲戒解雇を行いました。これに対して社員は地位確認を求めて提訴したところ会社はこれを争うとともに、予備的主張として本件懲戒解雇の意思表示には普通解雇の意思表示も含まれているとし、また、訴訟になってから普通解雇の意思表示を行い、それぞれの有効性を主張しました。
◆事件の争点
①労働契約法15条
②懲戒事由の是非
③相当性
◆判決の判断
①労働契約法15条は、懲戒処分の有効要件として、①懲戒処分の根拠規定が存在していること、②懲戒事由=「客観的に合理的な理由」があること、③処分の相当性=「社会通念上相当」が認められることの3つを定めている。本件においては、②及び③が問題となる。
②懲戒解雇権の発動のためには、形式的な懲戒解雇事由該当性だけでは足りず、より実質的に、行為の性質及び態様その他の事情に照らし、重大であって、かつ企業秩序を現実に侵害し、あるいは、その具体的かつ現実的な危険性を有していることが必要である。社員の行為は重大ではあるが、社内ネットワークの情報セキュリティシステムに実害が生じたわけではなく、侵害の具体的かつ現実的な危険性があったとは認められない。
③管理者権限の重要性にかんがみると、これを不当に保持し、その抹消に応じようとしないことそれ自体が、企業秩序を現実に侵害する行為であるとの見解も成り立つが、懲戒解雇に当たっては、実体的な相当性と手続的な相当性を考慮に入れ、より慎重な判断が求められる。本件では、実体的相当性に疑問があるうえ、弁明の機会を与えないまま懲戒解雇手続が進められている点が問題である。懲戒処分(とりわけ懲戒解雇)は、刑罰に類似する制裁罰としての性格を有するものである以上、使用者は、実質的な弁明が行われるよう、その機会を付与すべきものと解され、その手続に看過し難い瑕疵が認められる場合には、当該懲戒処分は手続的に相当性に欠け、それだけでも無効原因を構成し得るものと解される。本件手続には看過し難い瑕疵があるものといわざるを得ない。
◆まとめ
本件は懲戒事由が具体的かつ現実的な危険性がなく、手続きにも瑕疵があるということで解雇無効となりました。弁明の機会を付与しない場合、かなり会社にとって不利に働くことが多いのでかならず付与したほうが良いでしょう。
いかがでしたでしょうか?懲戒処分を行いたいけど方法がわからない、行為に対してどのくらいの処分にするか悩んでいる等懲戒手続きをお考えの方はお気軽に東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズまでお気軽にお問合せください
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