安全配慮義務ってどこまで負うのか?⑧ ~セイシン企業事件~
東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
今回は安全配慮義務について争った裁判例・判例を紹介します。
【目次】
◆事実の概要
◆事件の争点
◆判決の判断
◆まとめ
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◆事実の概要
造粒加工業務に従事していた社員が、ロータリーバルプに巻き込まれて大きな怪我を負いました。この件につき会社に対して安全配慮義務違反による損害賠償請求を行いました。
◆事件の争点
①安全配慮
②過失割合
◆判決の判断
①会社の工場においては、日常の安全教育、安全管理の面でも、また社員が本件造粒機の操作に従事するにあたっての個別的な安全指導、安全管理の面でも、いずれも十分でなかった。社員が造粒機の操作に従事するのは本件事故当日が最初であったうえ、機械の構造や作業上及び安全上の注意事項などについての説明、指導は何も受けていなかったから、社員の勤務時間の割り当てや一緒に勤務する他の従業員の組み合わせなどに配慮して、社員が適切な指導、監督を受けられる態勢を整える必要があったが、会社は社員に午前1時からの深夜勤務を割り当てて、初めての造粒機の操作に1人で従事させ、しかも一緒に深夜勤務に就いたのは、1年前に入社した別社員だけだった。同人はまだ機械の構造などについて十分な知識もなく、別の場所で従事しているといった状態であったため、社員が材料詰まりを解消できず、作業が一向に進まないことに焦りや苛立ちを感じても、適切なアドバイスを受けられなかった点でも、会社には、作業上の安全確保のための配慮を欠いた過失がある。
②本件事故の状況からすれば、社員にも、本件バルブを停止させず、作動したままの状態で不用意に右手を差し入れた過失があり、この過失は、本件バルブの回転数が1分間に5から12回転で、1、2秒で次のブレードが回転してくる状態であったことからすると、決して小さくないが、会社の安全配慮義務違反の内容と、本件事故当時に社員が置かれていた前記の状況を比較考慮すると、過失割合は会社6割、社員4割が相当である。
◆まとめ
本件は会社の過失割合が6割となりました。普段から安全教育が不十分だった事実を考慮すると個人的にはもう少し会社の過失割合が多くても良いのかなと考えました。
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