安全配慮義務ってどこまで負うのか?⑥ ~中部電力事件~
東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
今回は安全配慮義務について争った裁判例・判例を紹介します。
【目次】
◆事実の概要
◆事件の争点
◆判決の判断
◆まとめ
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◆事実の概要
火力発電所で勤務していた社員が退職後、中皮腫を発症して死亡しました。死亡原因はアスベスト粉塵曝露によるものとして会社に対して損害賠償請求を行いました。
◆事件の争点
①会社が取るべきだった措置
②アスベストとの因果関係
◆判決の判断
①社員は、各職場に適切な呼吸用保護具を備え付けた上、試運転業務に従事する社員に対して、火力発電所建設時の保温材取付け作業が行われている場ではアスベスト粉じんが飛散していること、アスベスト粉じんの人体に対する有害性について、注意喚起・指導し、試運転業務を行う際にはこれを着用するよう具体的に指示するべき安全配慮義務を負っていたものというべきである。
②呼吸用保護具の各事業場への備付けがどのように行われ、どのような基準で使用を指示したかが明らかにされないことに照らしても呼吸用保護具の使用にかかる前記義務を履行しなかったものと推認できる。社員は、アスベスト粉じんにばく露する機会のある建設現場における業務をマスク等保護具なしで試運転業務を行うことが日常的にあり、その際にアスベスト粉じんを吸入したことが推認できる。そして、中皮腫による死亡はアスベストへのばく露が原因であることが多いこと、社員の試運転業務に従事した期間が約33カ月に及ぶこと,アスベスト粉じんばく露開始から中皮腫発症までの平均潜伏期間が38年であるのに対し、社員の場合は約47年と概ね照応することに、社員が被告での業務以外でアスベストにばく露したとの事情はないことを考え併せると、業務上のアスベスト粉じんばく露と社員の死亡等との間には相当因果関係が存するものと認められる。会社は社員に対し、同人の死の結果に対し、雇用契約上の安全配慮義務違反に基づく損害賠償責任を負う
◆まとめ
約50年前の出来事が起因しているとしても会社の安全配慮義務違反が認められ約3000万円の損害賠償請求が認められました。
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