休職による自然退職が有効!?⑤ ~コンチネンタル・オートモーティブ事件~
東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
今回は会社が休職期間満了による自然退職で訴えられたケース(コンチネンタルオートモーティブ事件)をご紹介いたします。
休職の詳細は こちら!
【目次】
◆事件の概要
◆判決の争点
◆判決の判断
◆まとめ
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◆事件の概要
社員は平成25年7月22日に適応障害の疑いがあり、同年8月31日まで自宅療養が必要であると診断されました。その後同年7月30日から10月29日までは傷病による欠勤、10月30日からは1年間の休職命令が発令されました。平成26年9月29日に同年10月31日までの自宅療養が必要と診断されたため平成26年10月29日をもって自然退職となる旨の通知を行いました。その後平成26年10月17日に症状は軽快しており、同年10月27日より復職可能の旨を告げましたが、会社は自然退職は撤回しない旨を告げました。これに対し社員は会社に対して復職可能として退職無効の訴えを起こしました。
◆判決の争点
①復職可能とした主治医の診断書
②主治医の診断書作成の経緯
③休職事由消滅の有無
◆判決の判断
①「平成26年10月27日までに、症状は軽快して経過し、本人の復職の意欲が高いこと。急激な負荷がかからなければ、通常業務は可能な状態にまで意欲、集中力などが改善していること。以上から復職は可能であると判断した」
②会社は社員の主治医と直接面談をおこなったところ、「社員が会社からクビを宣告されて、「焦って目が覚めたと言ってきて、会社に戻りたい、頑張ろうと思う」と言ってきたので、社員の希望どおり、通常勤務は問題ないという診断書を書いたこと、制限勤務の診断書では就労可能ではないと判断されてしまうこともあるので、社員から書いてくださいと頼まれて、通常勤務可能としたこと、解雇となった場合には病状はもっと悪くなると思われたのでそのように書いたこと、などを述べた。
③主治医の平成26年10月27日から通常勤務に問題がない旨の診断書は、会社から社員に対し、休職期間満了の通知が届き、「焦って目が覚めたと言ってきて、会社に戻りたい、頑張ろうと思う」との話があったため、希望どおりに書いたというものである。これは、医学的に軽快したということが理由になっているのではなく、社員の強い意向によることが理由と考えざるを得ない。そうすると、会社から社員に宛てて出された平成26年10月10日付けで送付された休職期間が満了して退職となる旨の通知を社員が受領する以前に示された診断書が、主治医が会社代理人に述べた社員に関する病状とも整合しており、医学的にみた社員の病状を示しているといえる。すると、社員については、平成26年10月29日の休職期間満了時に復職可能であったと判断することはできず、休職期間中に休職事由が消滅したときは復職させるとした就業規則に該当するとは認められない。
◆まとめ
本ケースは医師の診断書が社員本人に頼まれて書いたという医学的見地に基づいた診断ではなかったとされ自然退職有効となりました。会社が主治医と直接面談を行い主治医が事実を話してくれたところが大きな要因ですね。主治医の診断書は本人の意向を組んでしまうケースがあるということは覚えておいた方が良いでしょう。
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