上司は部下の監督責任をどこまで負うのか!?② ~五泉市事件~
東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
部下の監督責任を問うて懲戒処分を行った結果争った裁判例を紹介します。
【目次】
◆事実の概要
◆事件の争点
◆判決の判断
◆まとめ
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◆事実の概要
税務課職員が外出時にセクハラ行為を行いました。この行為に対する監督責任として戒告処分を受けた課長補佐が処分取り消しを求めて訴えを起こしました。
◆事件の争点
①管理監督責任の主体となるか
②管理監督義務を懈怠があるか
③懲戒権の濫用、逸脱に当たるか
◆判決の判断
・税務課職員は本件事件当時の税務課の中で、課長1名、課長補佐2名、係長3名、係員19名中の係長であり、これまでに懲戒処分を受けたことはないこと、当時の課長は、税務課職員について、目上の人に対する言葉遣いや態度が気になっていたが、セクハラをするような人かどうかというようなことは当時は考えもしなかった旨、問題を起こすというより何不自由なく育てられた子だという感じで見ていた旨述べていること、セクハラ行為は課長補佐が不在の間に行われたこと等が認められ、以上の事実に照らすと、上記の事実をもって、税務課職員に対して何らかの管理監督権を行使するべきであったとまではいうことができない。市は、本件当時の税務課は、上司に対して相談や訴えができない職場環境であった旨主張する。しかしながら、その事実は証明はされておらず、認められないというべきである。以上によれば、課長補佐に管理監督義務の懈怠を認めることはできず、本件処分は違法であって取消しを免れない。
◆まとめ
本件は課長の専決事項であること、セクハラ行為を行うような蓋然性がないこと等を根拠に処分取り消しとなりました。懲戒処分を行うには何かしらの過失認定が必要ということですね。
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