上司は部下の監督責任をどこまで負うのか!?③ ~フットワークエクスプレス事件~
東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
部下の監督責任を問うて懲戒処分を行った結果争った裁判例を紹介します。
【目次】
◆事実の概要
◆事件の争点
◆判決の判断
◆まとめ
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◆事実の概要
運送業を営んでいる会社の能率給手当及び時間外手当は点数制により算出されていました。会社が申告を受けた数字の異常に気付いて調査を行ったところ店長及び4名の運転手が不正に受給していたことが判明し、店長を懲戒解雇としました。これに対して店長は懲戒解雇不当として訴えを起こしました。
◆事件の争点
①店長が不正受給に関与していたか
②懲戒解雇の合理性
◆判決の判断
①店長は部下の不正受給への関与自体を否認し、不正受給が発覚するまで不正受給の事実を一切認識していなかったと主張したが、部下の運転手達は、不正受給の基礎となった配達枚数、集荷枚数の不当計上についてそれが店長の指示によるものであった旨の理由書を会社へ提出している。店長は、一旦は配達枚数の不当計上は自分の指示によるものであり、集荷枚数の不当計上は自分の部下への説明不足によるものである旨の始末書を提出したが、その後、一転してこの始末書の内容は事実と異なると主張し、不正受給への関与を否認した。本件判決は、次のような間接事実を認定してそれらを考え合わせると、店長が部下の不正受給を全く認識していなかったとの弁解は、にわかに採用することができない。
②本件不正受給の態様およびそれに対する店長の関与の態様に照らせば、それが会社の会社秩序、業務体制に与えた影響は相当大きいものといわざるを得ず、店長が主張する各事情を最大限参酌しても、本件不正受給に関し、店長を懲戒解雇にすることは合理性があるものと評価せざるを得ない。
◆まとめ
本件は部下のみならず積極的に上司である店長が不正にかかわっていたため懲戒解雇有効となりました。本来不正をなくすことが店長としての職務のため懲戒解雇の合理性が認められたケースだと思います。
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