マタハラで訴える従業員のケース④ ~A商事事件(東京地判平27・3・13) ~

東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
今回は会社がマタハラで訴えられたケース(A商事事件)をご紹介いたします。
ハラスメントの詳細は こちら!
【目次】
◆事件の概要
◆判決の争点
◆判決の判断
◆まとめ
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◆事件の概要
女性社員は平成24年6月に出産をしたところ、会社から退職扱いを告げられ退職金が同封された退職通知が届きました。女性社員はこれを拒否して産後休業の後、育児休業を取得しました。平成25年4月に女性社員は会社に対して就労証明書の発行依頼しましたが、会社はなかなか対応をせず同年5月に労働局に対してあっせんの申請を行いました。その後同年8月に労働審判を申し立てて、労働契約を合意解約することを前提に会社は女性社員に対して1年分の給与の支払いを命じられました。会社はこれに対して異議を申し立てて訴訟へと移行しました。女性社員は復帰予定日以降も出社していないことについては会社が復帰を認める意思がなく、また就労証明書の発行がないため保育園等に入園させることが出来なかったのだから会社に帰責性があると主張して復帰予定日以降の賃金を請求するとともに、産休中の退職通知を送る等の行為は違法であるとして慰謝料請求を求めました。
◆判決の争点
①就労証明書不発行について
②賃金請求権について
③産休中の退職通知
◆判決の判断
①仮に就労証明書が遅滞なく発行されて保育園へ入園の申込みをすることができたとしても、保育園への入園の可能性はかなり低いことは女性社員も認めるところであり、他方、家庭保育室に子を預けることができるよう枠を確保していたというのであるから、就労証明書不発行のため女性社員が出社することができなかった旨の主張は、理由がない。
②女性社員の復職予定日である6月17日から、復職のための面談を指示する通知書が女性社員に到達した8月31日までの間において、女性社員がが出社せずに労務を提供しなかったことについては、会社に帰責性があると認めるのが相当であるから、民法536条2項の規定により、女性社員は、上記期間についてのYに対する賃金支払請求権を失わない。他方、通知書が女性社員に到達した後については、女性社員が出社しないことについて合理的な理由はなく、9月以降の賃金請求権は認められない。
③会社が産休中の女性社員を退職扱いにし退職通知を送付した行為には、重大な過失があり、労働基準法19条1項(産前産後休業期間中及びその後30日間の解雇禁止)及び育児・介護休業法10条(育休を理由とする不利益取扱禁止)に反する違法な行為として不法行為が成立する。慰謝料は15万円が相当である。
◆まとめ
出産を機に解雇ともとれる退職扱いの処理を行ったこと自体かなりの問題があります。その方法も一方的な通知ですから、女性社員が憤慨して訴えることになるのは蓋然性があると言えるでしょう。また、復職予定日後の賃金支払いについて復職拒否や解雇等の認定がされたわけではないものの、会社の不誠実な対応を理由に民法536条2項を根拠に賃金支払いを命じています。実務的に産休育休についての復帰要請を拒否できないことは勿論、復帰の際には会社が情報を提供すること、労使間で十二分に話し合いを行うことが不可欠でしょう。
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