タイムカードや勤怠システムの打刻はどこまで有効!?④ ~プロッズ事件~
東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
勤怠記録による労働時間と会社の把握する労働時間に相違があり、未払い賃金を請求された裁判例を紹介します。
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【目次】
◆事実の概要
◆事件の争点
◆判決の判断
◆まとめ
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◆事実の概要
デザイン会社で働く女性社員が、タイムカードの記録を超えて働き、記録がない日も労働を行っていたとして時間外労働等の割増賃金を求めました。
◆事件の争点
①労働時間とは
②出勤時刻
③退勤時刻
◆判決の判断
①労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下におかれている時間をいい、この労働時間に該当するか否かは、使用者の指揮命令下におかれているか否かにより客観的に定まるところ、使用者には労働者の労働時間を適正に把握する義務が課されていると解されることから、使用者がタイムカードによって労働時間を記録、管理していた場合には、タイムカードに記録された時刻を基準に出勤の有無及び実労働時間を推定することが相当である。ただし、この推定は事実上のものであるから、他により客観的かつ合理的な証拠が存在する場合には、当該証拠により出勤の有無及び実労働時間を認定することが相当である。
②タイムカード上に出退勤時刻の記録がないが、女性社員のパソコン上にデータ保存記録(タイムスタンプ)が残っていることから、出勤したものと認定した。次に、出勤時刻については、基本的にはタイムカード記載時刻とし、タイムカードに「直行」の手書きの記載がある場合は、始業時刻である9時30分とみなした。タイムカードに出勤時刻の記載時刻がない場合は、保存されたデータの多くがグラフィックデザインであり、同時に作業を進めなければならない業務点数が多く、変更や修正も多いなどの業務の特徴があることから、その日の最初のデータ保存記録から2時間遡った時刻(女性社員主張の出勤時刻がそれよりも後の場合は、その出勤時刻)には出勤していたと推認した。
③退勤時刻についても、基本的にはタイムカード記録時刻とし、それを超えて女性社員が労務を提供していたことを認めるに足りる客観的な証拠がある場合は、当該証拠により認定した。具体的には、女性社員のパソコン上のデータ保存記録に照らし、タイムカード記録時刻ではなく、最終のデータ保存時刻またはメール送信時刻(女性社員主張の退勤時刻がその前である場合は、その退勤時刻)に退勤したと認定した。
◆まとめ
タイムカードで時間管理をしていても必ずしも労働時間とは一致しないといえる事例だと思います。本件のようにタイムカードよりもPCの記録をもとに労働時間を推認されてしまうことがあるため、杜撰な労働時間の管理は危険といえるでしょう。
いかがでしたでしょうか?指示なく出勤してきて勤怠の打刻をする社員がいる、そもそも勤怠管理で困っている等、労働時間についてお悩みの方はお気軽に東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズまでお気軽にお問合せください
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