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懲戒手続きはどこまで有効!?どこから無効!?⑧ ~総友会事件~

東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!

 

今回は懲戒手続きを行った結果、訴えられた裁判例を紹介します。

 

懲戒手続についてもっと詳しく知りたい方は こちら!

 

 

 

【目次】

◆事実の概要

◆事件の争点

◆判決の判断

◆まとめ

 

 

__________________________________________

 

 

◆事実の概要

会社は事務局次長に対して経理上の不正、勤務態度不良、人事に関する非難及び誹謗中傷等を理由にけん責処分を複数回行いましたが、事務局次長の勤務態度が改善されなかったため退職を勧告しました。事務局次長はこれに応じず、より一層態度が酷くなったため、専務理事は就業規則規定の懲戒事由に基づく懲戒解雇の意思表示を行いました。事務局次長はこれを無効として訴えを起こしました。

 

◆事件の争点

 

①懲戒事由の存否

 

 

②手続きの告知違反

 

 

③手続きの事前違反

 

 

 

◆判決の判断

①就業規則第では懲戒事由として次のとおり規定している。

1 故意または過失により業務上重大な失態があったとき

2 会の業務を進んで阻害するような意図のあることが事実によって明らかになったとき

3 正当な理由がなく、就業を拒否したとき

4 正当な理由がなく、しばしば遅刻、早引または私用外出したとき

5 無届欠勤が14日以上になったとき、または出勤が著しく正常でないとき

6 著しく自分の職責を怠り、確実に勤務しないとき

7 職務上の指示に従わないとき

8 著しく自分の権限を超えて独断の行為があり、失態を招いたとき

9 採用のとき虚偽の陳述を行ない、または虚偽の履歴書、戸籍謄本、身元証明書などを使用したとき

10 許可なく他会社その他に勤務したとき

11 会の秩序をみだすおそれのある流言を行なったとき

12 みだりに会の職制を中傷または誹謗し、あるいは職制に対し反抗したとき

13 懲戒に処せられたにもかかわらず始末書を提出しないなど、懲戒に従う意思が全く認められないとき

14 刑罰に触れる行為をしたとき」、

 

そして、「懲戒の決定は、専務理事がこれを行なうものとする。ただし、局員が不当な処分を受けたと信ずるときは、専務理事に対して適当な措置が行なわれることを要求することができる。この場合、専務理事は、事情を調査のうえ再審議し、かつ、その結果につき理由を説明しなければならない」と定めている。

 

本判決は、第一審判決とほぼ同様の事実関係を是認し、本件解雇処分の正当性を認めた。

 

②就業規則の規定上、懲戒処分の告知に当たり、被処分者に対し懲戒理由に該当する事実を告げなければならない旨の定めはない。従って、本件解雇処分に当たり、懲戒処分の手続に反し無効であるということはできない。もっとも、懲戒処分の事柄の性質上、処分に当たり、被処分者に対し、懲戒理由に該当する事実を告げるのが手続上妥当な措置であることは否定できない。ところで、本件懲戒解雇に際し控訴人に送付された解雇通知によれば、『就業規則第〇〇条第4項による懲戒解雇とする』と記載されているだけで懲戒解雇理由に該当する具体的事実の記載はない。しかしながら、本件懲戒解雇に先立って、専務理事は、昭和57年7月21日控訴人に退職を勧告し、その際、それに至る理由、経過を一つ一つ述べているのであるから、本件懲戒解雇に当たって、事前に口頭で懲戒解雇理由に該当する事実が控訴人に告げられていたものというべきであり、本件懲戒解雇の手続が妥当性を欠くということもできない」。即ち、解雇事由は口頭での説明で足りると判示した。

 

③就業規則但書の規定は、懲戒処分の事前手続を定めたものではなく、事後的な救済措置を定めたものと解される。従って、右規定による措置要求に対する処理について手続的に違法又は妥当性を欠く場合であっても、懲戒処分自体が正当と認められるときは、再度措置要求を申立て又は右措置要求に対する手続において十分な事情の調査及び再審議が受けられなかったこと等により被った損害の賠償を求めることができるかどうかは別として、懲戒処分自体の効力には影響しないものというべきである。従って、事務局次長の措置要求について、仮に専務理事が十分に事情を調査せず、再審議を行わず、またその結果につき理由を説明しなかったとしても、前記のとおり、本件懲戒解雇が相当であると認められる以上、その効力には影響がないものというべきである」。

 

 

◆まとめ

原則として正当な理由が無く就業規則規定の手続きを無視して懲戒を行った場合は処分無効となります。本ケースは懲戒処分通知書に詳細の事由について記載はありませんでしたが、それまでの経緯や口頭による説明が認められ解雇有効となりました。解雇事由は口頭での説明で足りるとなりましたが、文書で通知する方がより効果的といえるでしょう。

 

 

いかがでしたでしょうか?懲戒処分を行いたいけど方法がわからない、行為に対してどのくらいの処分にするか悩んでいる等懲戒手続きをお考えの方はお気軽に東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズまでお気軽にお問合せください

 

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