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労働時間や休日の変更はどこまで許容されるのか!?④ ~ソニー事件~

東京・銀座の社会保険労務士法人Aimパートナーズです!

 

業務の都合等により労働時間や休日の変更を行った結果争った裁判例を紹介します。

 

 

【目次】

◆事実の概要

◆事件の争点

◆判決の判断

◆まとめ

 

 

__________________________________________

 

 

◆事実の概要

会社と2つの労働組合が労働時間を短縮する以下の内容の協定を締結していました。

 

①労働時間を平成5年1月より1896時間とする。

②労働時間を平成6年1月より1856時間とする。

 

その後、会社は平成5年10月に至り、経営環境の悪化により、平成6年1月からの時短を1年間延長したい旨両組合に申し入れたところ、多数組合は、これに同意しましたが少数組合はこれに応じませんでしたそこで会社は協定の解約通知を行ったところ、少数組合員が解約は無効だと訴えを起こしました。

 

◆事件の争点

 

①本協定の性質

 

②労働協約の解約

 

③労働時間

 

 

 

◆判決の判断

①本件基本協定は、その形式上有効期間の定のない労働協約であり、会社は労働組合法15条12項に基づき本件解約通知をしたものである(少数組合員らは、本件解約通知は「解約しようとする日」の記載を欠くので通知自体右条項所定の予告に該当しない旨主張するが、解約の効力発生日を指定しなかったときには、解約予告の文書が相手方に到達した日の翌日から起算し90日を経過した日に解約の効力が発生すると解する)。

 

②労働協約の締結過程は、ギブ・アンド・テイクの関係にある。しかし、労働協約は、書面に作成することによって効力を生ずる要式行為であるから、「ギブ・アンド・テイクの関係」も、労働協約の条項上明らかである場合と、そうではなく、労働協約締結の動機ないし、事情にとどまる場合とでは、法的性質を異にする。前者の場合、労働協約の一部解約は許されないが、後者の場合には、労働協約の一部解約は許される。ただし、労働協約の一部解約が、安定した労使関係の形式に寄与するという労働協約制度の趣旨を没却するようなものであると認められる場合には、右解約は解約権の濫用として無効である。

 

③労働協約の終了が、個々の労働契約にどのような影響を及ぼすかについでは、協約失効後の労働契約についての合理的意思解釈によって決定するほかないが、本件において、平成6年1月以降については、時短の実施方法についての合意が成立しておらず、個々の労働契約を具体的にどのように規律するかは未だ確定していなかったというべきであり、時短協定中の平成6年1月以降にかかる部分解約された以上、本件時短協定中の平成6年1月以降にかかる部分は、個々の労働契約を規律せず、個々の労働契約における平成6年1月以降の年間所定労働時間は、平成5年と同様1896時間である。

 

 

◆まとめ

本件は予定していた労働時間短縮が労働協約の解約が有効とされ、従前のままの労働時間となりました。労働組合との労働協約だったからこその判決といえるでしょう。

 

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